オタワの美術館National Gallery of Canada で出会える日系芸術家たち

博物館・美術館

美術オタク&年間ファミリーパス購入者の私はちょくちょくギャラリーに通っています。特に、極寒の冬のオタワでは暖かな安らぎを求めギャラリーをウロウロとさまようことも事も多々。 そこでふとした疑問がありました。「日系の芸術家さんの作品はどれだろう?」

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鑑賞は「自分との対話」

私はここ数年、アートディレクターの結城昌子さんが某テレビ番組で「いらない絵まで見なくていい」と言われていたのに感銘を受けて、壁書きは気に入った作品のものだけをカメラで撮り、または後日展覧会カタログかインターネットでチェックしております。このような鑑賞の仕方を結城昌子さんは「自分との対話」と表現されていました。

さて、こちらの「自分との対話」的鑑賞方法ではカナダ国立美術館で日系の芸術家さんの作品に残念ながら巡り合っておりませんでしたので、メンバー価格25ドル(ビジター価格30ドル)という、総カラー展覧会カタログ としては圧倒的に低価格な「Art In Canada」(ギャラリーショップで購入可能)でお名前を頼りに作品を探してみました。私が見つけただけでも2点ありました!

Takeo Tanabe, Dawn, 2003 p.210

Ron Terada, It Is What It Is, It Was What It Was, 2008 p.208

私の推しメン:Roy Kiyooka 氏

実は、オタクの私には「追っかけ」をしている 日系アーティストさんがいます。日系文芸人として初めてカナダ勲章を授与されたRoy Kiyooka氏です。Kiyooka氏の作品はカナダ国立美術館に35点収蔵されています。今は一般公開されていませんが、何かの機会に一般公開されるといいですね。

収蔵されているのに見えない作品達

収蔵されているのに見えない作品達。これはことの外たくさんあるんです!!

国立美術館といえば、2018年、11月3日のOttawa Citizen に “Forbidden Auction”というタイトルで、決して売りに出ないけれど、万が一オークションにかかれば おいくらになりますか?という、いかにもミーハーな私の心をくすぐる記事が載っていました。

出典:Ottawa Citizen Saturday, November 3, 2018

マルクシャガールの「The Eiffel Tower」は長い間公開されず、収蔵庫にあったようで、有名なオークションハウス、クリスティーズのオークションにかけられる予定でした。これは、歴史的に非常に重要な絵画が、プライベートコレクターの手から離れ、ひいてはカナダから流出する事を防ぐための資金調達のためであり、資金の少ない美術館の苦肉の策であった、と新聞記事は伝えています。

紆余屈折あり、最終的にオークションの話はなくなり(クリスティーズにはかなりの罰金が、とある心優しい美術館後援者から 支払われたそうです)現在マルクシャガールの「The Eiffel Tower」はLevel Two gallery space C213に他のヨーロッパ印象派やポスト印象派の絵画と共に安住の地を見つけています。

さて、こちらのシャガールの鑑定額は?クリスティーズと美術館側の査定価格は決して公式公表はされませんが、新聞には9.4 millionとのこと。 つまり、9億4千万円ぐらいでしょうか。

冬真っ盛りのオタワ、お時間があったら雪もブラックアイスもない美術館に是非シャガールを体感しに行かれてみてください。

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